「……そうだったら何?」
「え、いや。別に…。」
しかも、かなり本気で好きみたいで。
あたしの言葉を聞いたか聞いてないのか定かじゃないまま、藍前は立ち上がり、塚本の方に歩いていった。
でも、そんなに陽路がいいの?
唇を噛み締め、膝立ちしたままうつむくあたし。阿久津と吉山がそっと近づいてきて「もう俺たち、走りに行くから。」と言ったのも、耳をすり抜けていく。
礼二たちがいなきゃ、あたしを心配してくれる人なんていないってことを、久しぶりに実感した。
怒りでふるえる手を握りしめ、あたしはドリンクを作りに仕事場へ行く。とりあえず、グループ内での仕事はちゃんとこなさないとダメだ。あたしの本性なんて陽路しか知らないんだし、みんなの前では立派なフリしてなきゃいけないのだから。

