君を守りたい


――そして、


「…それなら尚更。俺、好きな人いるし、そんな気持ちあんなら、俺のことなんて早く忘れた方がいいッスよ。」


無表情にそれだけ言い放ち、再びストレッチに戻る。
…それにしても、何?好きな人って誰?
あたしとまともに話してくれないのも、その人がいるからってわけ?

目の前の藍前の後ろ姿を見つめる。すると不意に、さっきの光景が脳裏を過ぎった。

階段を出たところで捉えた、多目的ホールで話す藍前と陽路の姿…。
でもまさか、ねぇ?ありえないでしょ…。
聞いてもいいのかわからない質問。聞きたいけど、聞いたら聞いたで後戻りできない。でも、知りたい。


「…もしかしてさ、藍前君が好きなのって…………陽路?」


あたしの問いにゆっくりと振り向いた彼の目には、驚きの色が混ざっていた。あぁなんか、まさかのまさかっぽい。疑惑が確信へと変わる。
今日あたし、何回ショック受ける気だろう?