ここであたしが、引くわけなんてない…否、引くわけにはいかない。
「あたしは藍前君と話してみたいことあるよ?」
「俺はないッス。」
なかなかしぶといなー、うん本当に。
とりあえずちょっと方向変えてみるか。あたし演技、上手いんだよ。
「……あたし、実は、藍前君がちょっと気になってるんだよね…。いわゆる、一目惚れってやつなんだけど……。」
あたしがそう言うと、ぱっと振り向き、不思議そうな顔であたしを見る藍前。大きくて二重の目が、真意を汲み取ろうとするかのようにあたしを捉えた。
うまくいくかな…?とりあえず二人で話せないと、どうにもならない。
恥ずかしげにほほえんだあたしに、藍前はゆっくりと口を開いた。

