君を守りたい


あたしが見ていることに気がつかない2人は、4面あるコートを囲んでいるフェンスの近くに腰を下ろし、ストレッチを始めた。

何気なく近寄り、そっと胸に書かれた名前をのぞき見てみる。可愛い方が“木原”で、もう一人が“沢柳”。そういやさっきプリントで名前見たし。木原寿也と沢柳蓮。どっちもあたし担当のコートじゃん。

そして、近づいた為に偶然聞こえてきた2人の会話。よくわかんないけど、とりあえず聞いちゃおうか。情報収集は、きっと後で役に立つ。

あたしは作業を続けるフリをしながら、2人の会話に耳を傾けた。

「……寿也、まだ気にしてるのか?」

「してないッスよ。別に。」


気にしてるって、一体何を?
素っ気なく答える木原に、呆れたような表情を浮かべる沢柳。

……あたしってさ、こういうのマジ気になるんだ。だから悪いけど、最後まで聞かせてもらうよ。