君を守りたい


知らず知らずのうちに、下げられた両手に力がこもる。そんなあたしに、柊先生はゆっくりと口を開いた。


「今もお前に、理由を問おうとは思わない。だが…あのとき、お前に何があったのか、ちゃんと俺が気づいて、してやれる限りしてやっていれば、今と少しは変わっていただろうな。すまない、大崎。」

「え…。」


思いもよらなかった、先生の言葉。
唖然とするあたしの横を通り、柊先生は凌葉陣の方に向かっていく。
でも何で…、何で先生があたしに謝る?そんな必要ないじゃない…。

立ち尽くすあたしの後ろでは、凌葉陣と海星陣が軽く会話を交わしているようで。時折美香の甲高い声や、笑い声が聞こえてくる。その場に近づく気さえおきず、駐車場に目を向けていると、ようやく明春のバスが到着したのを確認した。