「…元気だよ、おかげさまで。まぁ特に用事ないから、じゃあね。」
あたしはそう言って美香に背を向けた。
今は後輩の前だからなのか、海星の部員もいるからなのかはわからないけれど、美香の口調はかなり猫かぶりモード。
っていうか、今はあんまり美香と話す気分じゃない。
「あ、そう?じゃあ二泊三日、一緒に仕事頑張ろうねっ!」
ニコリと悩殺スマイルを浮かべる美香に、吐き気がした。これだけを見たら、過去を知らなかったら、スゴくいい子にみえるのに…。
美香の本性を知っているせいか、今の美香の雰囲気がとても気持ち悪い。
全ての事情を知っている美香。
こうなることを仕組んだ美香。
そのくせホントに白々しくて、異常にムカつく。
でもその気持ちを抑え、慈朗たちに「ゴメンね。」と呟いたあと、あたしは柊先生の元へと足を向けた。もう海星メンバーは柊先生のところに集まり、軽く挨拶を交わしており、あたしもすぐにその輪に加わった。

