君を守りたい


「大崎にやられたんだってよ。」


不安げにあたしを見つめる二人に、治がぶっきらぼうに言い放つ。
二人が目を見開き、いすに座ったのを確認してから、あたしは静かに口を開いた。


「……陽路がね、足の怪我は美香のせいだって言ってくるから、ちょっともめちゃって…。だんだんエスカレートしていくうちに、陽路がカッターで切りつけてきて……!違うって言い返したら、殴られちゃった…」


途切れ途切れにそう言葉を紡ぎ、ためていた涙を流す。あたしが泣いて言えば、みんながあたしのことを信じてくれるから。
もう今更、人をだまして自分の駒にすることに、なんの罪悪感さえもわかなくなってしまっていた。

優しい午後の光が室内を照らす中、嘘から生まれた怒りが3人を包んでいく。あたしはただ、うつむいて偽りの涙を流すだけ。