君を守りたい


まだ、誰もきてない部室。その真ん中にあるテーブルとイスに近寄り、あたしはそのイスに腰掛けた。


「…あれ。美香、どうした?」


一番最初に部室にきたのは、なんとも都合のいいことに治。あたしに好意を抱いているようで、一番あたしを信じてくれてる単純な奴。うつむくあたしに、心配そうに声をかけてきた。


「ううん。どうもしてないよ。ただちょっと疲れてるだけ…」


にこっと笑いかけながら、そう答えるあたし。それと同時に左腕をテーブルの下に隠せば、思惑通り、治の目はその左腕に注目する。


「なぁ、手、どうした?」

「え?何でもないよ。治君何言ってるのぉ?」


あはは…とあたしが笑ってみせれば、怪訝な表情を浮かべた治があたしの左手に手を伸ばしてきた。