君を守りたい


待合室で慈朗と二人並んで座りながら、陽路先輩が診察室から出てくるのを待つ。病院特有のにおいが、終始鼻を刺激した。


「やっぱり…、陽路ちゃんには悪いけど、無理にでも止めさせるべきだったよね。」


沈黙を破るように、ぼそっと慈朗がそうこぼす。そして、慈朗はさらに続けた。


「陽路ちゃんを守りたいとか言ったけど、俺、結局何もしてあげれてないや…。」


そして刹那、自嘲的な笑みを浮かべた慈朗。明らかに自分を責めているのであろうその表情に、俺も苦しくなる。

――でも、それは。
それは、慈朗だけじゃねぇだろ。


「俺だってそうだ。してもらうばかりで、陽路先輩には何もしてやれねぇし、何をしてやればいいかさえもわからねぇ。」


俺の言葉に、慈朗が驚いたように俺の方に視線を向けた。