「……先に裏切ったのは先輩たちでしょ。陽路ちゃんの話も聞かないで一方的に秋田先輩の味方して…。先輩たちに守りたいものがあるように、俺にも守りたいものがある。
……俺は、陽路ちゃんを守りたい。」
そう言った慈朗からは普段の柔らかい笑みは消えていた。見たことのない冷たい目で先輩たちを一瞥したあと、部室に向けて走り出す。
「どうして、美香の苦しみはわかってくれないのぉ?陽路ばっかり…」
慈朗の後ろ姿を見ながら、泣き崩れた秋田先輩。でもどうせ、またそれも演技だろ?それに、アンタが何に苦しんだっていうんだよ?
彼女に近づき、優しくなだめている、数週間前までは尊敬していた3人の姿に背を向け、俺たちもコートをあとにした。

