時折、秋田先輩の痛いくらいの視線を感じるために陽路先輩を追いかけることもできず、結局ベンチで吉山と杉下の試合を観戦する。
隣りの三年生たちが無駄に明るいのとは対照的に、吉山と杉下はいつもの動きが鈍るほど、沈んだ表情を浮かべていた。
もちろん、その二人だけではない。
俺も慈朗も、川瀬、深谷、樺本、学も、ずっと陽路先輩が入っていった部室を気にかけ、練習どころではない。そんな俺たちを、秋田先輩が悲しげな表情で見つめていた。
「おまえらさ、大崎がそんなに気になるのかよ?」
試合を終え、吉山と杉下が戻ってきたのを見計らい、紀彦先輩がそう口を開く。おそらく、さっきの秋田先輩の表情のせいだろう。先輩たちは、あまりにも単純すぎだと思った。

