君を守りたい


ハーフパンツだから、膝下からは陽路先輩の白い足が露わになっていて。そのせいで気づいてしまった、陽路先輩の左足の異変……。

彼女の左アキレス腱の周辺は、赤く腫れがっていた。

恐らく、昨日の違和感は炎症の予兆…。それを無視し、今日の微かな痛みを無理して長距離を走ったから、炎症がヒドくなってしまったに違いない。

これからテニスするなんて、もってのほかだ。ありえねぇ。

――でも。


「渡部…。待って。」


奥のコートに向けて歩き出す俺を、慈朗の弱々しい声が呼び止める。何を言っているのかと振り向けば、慈朗は今にも泣き出しそうな、情けねぇ顔をしていた。


「あ?何だよ慈朗。早く止めねぇとヤバいじゃねぇか。」


そう言う俺に、慈朗はうつむき、大きく横に首を振った。