君を守りたい


そんなあたしの右手に、そっと重ねられた慈朗の温かい掌。伝わってくる温もりに、あたしの心は大きく傾いて。


「…あたし、教室にも居場所、なくなっちゃった…」


訳もわからないまま、自然と発せられた言葉。涙がこぼれないように、あたしは青い空を見上げた。


「大丈夫だよ。陽路ちゃんの居場所は、ここにある。」


再びうつむいたあたしは、そのまま慈朗の手に引き寄せられる。逆らうことなく彼の胸にもたれ掛かると、堪えきれなかった涙が一筋頬を伝った。

慈朗には、あたしの強がりなんて通用しなくて。そのときのあたしに、一番必要なものを与えてくれる。

だってほら、あたしを抱きしめる彼の温もりは、今のあたしが一番必要としているものだった。


「昨日も言ったでしょ?泣きたいときは泣いた方がいいんだよ。いつでも俺、陽路ちゃんのそばにいてあげるから。ここが、陽路ちゃんの居場所だから。」


そして、慈朗の言葉でさらにあふれ出す涙。
昨日もあれだけ泣いたってのに、あたしの涙が枯れることはない。