「慈朗、ごめん。ありがと。」
鼻をすすりながらそう言ったあたしを、慈朗は優しく見下ろしてくれる。
「ぜーんぜん。俺には、これくらいしかできないしね。」
慈朗はこれくらいしかできない、とか言うけれど。人の気持ちを考えて行動に移せる、それ以上に素晴らしいことなんて、そうそうないと思う。
にこにこ笑う慈朗に、あたしもぎこちない笑みを返した。
――刹那、
「……俺ね、陽路ちゃん好きなんだぁ。」
「え…?」
不意に告げられた、慈朗の気持ち。
慈朗の気持ちに薄々気づいてたとはいえ、こう改めて言われるとさすがにドキドキしてしまう。
いつの間にか夜の雰囲気に支配された空、ぼんやり浮かぶ月と光り輝くあまたの星が、あたしたちを見下ろしていた。

