涙ぐむあたしを、慈朗が優しく抱きしめる。そして、あたしにしか聞こえないようにそっとささやいた。
「泣きたいときは、泣いていーんだよ。我慢する必要なんてない。見られるのがイヤなら、俺が隠しててあげるから。」
泣くつもりなんて、なかったのに…
あたしってこんなに、気持ちが弱かったのかなって思うくらい、涙はあふれ出して。慈朗が優しく頭をなでてくれるから、よけいに涙は止まらない。
何か、あたしの方が年下みたいじゃん…
「陽路ちゃんは、俺が送っていくから。」
慈朗が後ろの4人に向けて、そう言ったのが聞こえた。遠ざかる足音の中、あたしはただ悔しい気持ちやいらだちを、涙で流す。
泣きやむ頃には慈朗の制服の胸に、涙の跡が大きく残っていた。

