君を守りたい


それにしても、口の中結構切れてる。めっちゃ血の味するんだけど…。
口内に広がる鉄の味に眉根を寄せて、あたしは今一番気になることを口にした。


「…みんな、部活は?」

「治先輩を始めとした三年生が落ち着かないので、今日は中止になりました。」


あたしの問いに、侑希がそう教えてくれた。その答えに、あたしは妙に納得しながら小さく息を吐いた。
だって、愛しの美香ちゃんがあたしにいじめられてると思ってんだもんねー。そりゃ怒るわ。


「ちなみに今、一年の三人は部室の掃除してます。こぼれたドリンクとか、陽路先輩の血とか!」


付け足すように学が言った言葉に、一瞬凍った空気。床汚すぐらい血出るほど女殴るとか、普通ありえないでしょ。しかも冤罪だし。


「女殴るとか……。治先輩のこと、本気で見損ないました。」


“見損なった”

あたしが抱いた気持ちを代弁するように、そう侑希が呟いた。でもまさか本当に殴られるなんて、あたし自身、思ってなかったけれど。