美香が、その様子をずっと見てたことなんて誰も知らない。もちろんあたしだって、知る由もない。
ぞろぞろと連れ立って、みんながコートに向かい出す。すれ違いざまに、例の三人に睨まれたことは言うまでもないけれど。慈朗が優しくほほえんでくれたから、そんな三人のことは気にしない。
でもみんなが外に行ってしまい、部室に残ったのはあたしと美香だけ。気まずい空気が、部室を支配していた。
沈黙の中で、珍しく美香がドリンクを作り始める。いつもはあたしに作らせて持って行くだけの美香だから、この行動になんだかイヤな予感がして。
「…ねぇ〜陽路。陽路が笑顔の中心にいるのが許せないって、さっき言ったばっかじゃん。」
その言葉に、予感が確信へと変わる。

