君を守りたい


それにしても、美香が放つ言葉一つ一つを思いだすと、どっと疲れが押し寄せてくる。はあ、と溜め息を吐いたその刹那。あたしの耳に届いた足音。それと同時に、近づいてくる数人の話し声……。

まぁ、もうすぐ部活が始まる時間になるから、部員が部室に行くのは当たり前なんだけど。


「今日も、楽しくなればいーねっ!」


美香はあたしにそれだけ言い残し、更衣室をあとにした。再び明るくなった室内に、あたしは1人立ち尽くす。


「マジ、ありえない…」


そう独り言のようにつぶやき、あたしも更衣室を出た。ついさっき美香に言われたことすべてが頭の中を支配していた。

あたし自身は怖いとか、そういう気持ちはないんだけれど。ただ、美香が慈朗のことも口にしていたことが気がかりだった。

あたしなら大丈夫。だけど、慈朗まで巻き込んでしまうことが一番怖い。