君を守りたい


あたしの問いに、さも楽しそうに笑みを浮かべた美香は、ゆっくりと言葉を紡いでいく。


「え〜?だってぇ、本当にくだらないじゃん。所詮、後輩部員が先輩マネに抱くものなんて、たかが知れてる。」


そして刹那、冷たい目があたしを捉える。腕を組み、その場に立っている姿は、普段クラスメートや部員たちに見せる可愛らしい姿とはかけ離れていた。


「…くだらないと思うなら、放っておけばいい。美香がやっていることの意味、あたしにはわかんない。」


そんな美香に、あたしは負けじと言い返す。
そんな理由で、あたしの築いたものを簡単に壊されたらたまらないじゃない。


「あはは♪それがさぁ、あたし阿久津が欲しくなっちゃったんだよね〜。陽路のことがだぁい好きな、阿久津君がさ♪」


室内に、耳障りな笑い声が響いた。
動揺しちゃいけないってわかってるのに、慈朗の名前が出た途端、言いようのない気持ちが、不安が、あたしに襲いかかる。