遠くの方で雷が鳴り出した。 さっきまで差し込んでいた光が消え去り、辺りが暗くなってきた。 雨音が突然に窓を叩く。南米の呪い師がまるで俺を生け贄に雨乞いでもしたみたいな音だ。 突如、発作の予感を察知して薬に手を伸ばす。 この時、まだ俺は薬の数が減っていることなど知りもしなかった。 そして、見慣れたテーブルの上に見慣れない文字のメモを見つけた。 『買い物に行ってきます』 とだけ、書かれてあった。