太っている、そのコンプレックスは自分の存在価値を消すには充分で。 だから、痩せられないのならせめて店に貢献しなくてはと、私は吐いては飲み、飲んではまた吐いた。 ボトルが空きそうな席に呼ばれ、濃い目の一杯を戴いて新しいボトルを入れて貰う。 どんな時でも涼しい顔でお酒を飲み干す私に、お店のマスターも優しかった。 けれど…… 結局は客商売。自分目当てに来てくれるお客さんがいない事には始まらない。 やっぱり……欲しい。 手に入れかけた痩せた体が……欲しいんだ。