いつものように薬瓶を手に取って、2錠を飲もうと思った時……小刻みに手が震えた。 頭の中が何かにとりつかれた様な感覚に陥って ぐるぐると回りだした。 (死ぬかもしれない) この時初めてそう思った。 そうまでして痩せたいなんて……私は何をしているんだろう。 手に握ったカプセルをそっと瓶へ戻した。 どうして私は……こんな道を選んでいるの? 何の為に? 全てが分からなくなっていた。 いや、分からないんじゃない。分かったんだ。 ようやく当たり前の事に気が付いた瞬間だった。