「夜の国道なんかに行って、何が楽しいんだ?」

「…おまえ、知らないのか?」



そう聞いた僕に、健二は凄く驚いた顔をする。

その顔が何だかバカにされているような気がして、僕はムッとして「知らねぇよ」と言った。



「まぁ、今言ってしまうと楽しみがなくなるから黙っとくよ。ヒントは週末の夜ってことぐらいかな?」

「なんだよ、もったいぶって」

「まぁまぁ。損はさせねぇから」



答えなど全く出さず、健二はもったいぶったヒントだけを出す。

気になってまた聞こうとしたところで、健二が乗るバスがタイミング悪くバス停に到着する。



「じゃ、明日な!」

「あぁ」



週末の夜の国道。

いったい、そこに何があるんだろう……――。