きょとんとして聞く僕の頭を、遼太郎さんは軽く叩いた。



「おまえ、マジで学校行ってんのか?」

「……行ってるから制服着て、学校から出てきたんですけど」



はあーっと、遼太郎さんは呆れたように溜息をついた。



「ボゼンは墓の前と書いて墓前!」



墓の前…。

柚羽さんの?

何言ってんだ、この人。



「……柚羽さんの墓、知ってんだろ?」

「…………」



ワケの分からないことばかり言うこの人。

どう対処すればいいんだ?と悩みすぎて、僕は何も言えなかった。