遼太郎さんは無言で僕の両手を掴み、思い切り突き飛ばした。



「結婚考えてる女がいるのに、他の女に会うってことはそういうことだろ。てめぇ、バカか?」



悔しくて……。

あんなにも永輝さんを思い続けていた柚羽さんを侮辱されたことが悔しすぎて、僕は言い返すこともできなかった。




「もう来んなよ」



その場に座り込む僕にそう言い残すと、遼太郎さんは店の中に消えて行った。