運命 桜散る頃に

しかし出口に近づくにつれ、お化けや仕掛けが無くなっていき、暗い道を歩くだけとなった


二人の手は自然に重なっていて


二人の間に会話は無かった


「怜……」


ふいに、満咲のか細い声が聞こえた


「どうした?」


怜斗が優しく声をかけるが返事はない


返事の代わりに、怜斗の手を握る手に力が入った


少し肩が震えていた