「透は? 来てへんの?」
おらへんのは分かっとるのに、つい昴の後ろを覗いてしまう。
「ショータのバンまでには、くるって」
「奈々を連れてくるって意気込んでたよ?」
透……むっちゃええ奴! 兄ちゃんは泣きそうやで……!
「来ることを信じるしかねぇんじゃん? 翔太」
なんだかんだ俺の新技を最後にやっていいと言ってくれた玄に笑顔を向ける。
当日に構成の変更をしたもんやから、他のメンバーにはブーイングされたけどな……。
そこは、大トリを任せられた俺らの実力の見せどころやろ。
「全力でやらせてもらうで」
「そう来なくっちゃなー」
「ほな、もう行こうや」
daringの出番が来るまで俺たちは客席に入り、他のチームのダンスを見に行くことにした。
ダンスホールR&Bがクラブ中に響き渡り、色とりどりのライトがステージを鮮やかに彩る。
「おー。成長したなぁ~」
メインステージでは俺らの後輩にあたるチームがダンスを披露してる最中。
もうすぐ俺らの出番や。
「落ち着けよ翔太~」
ソワソワしとる俺の肩に腕を回して、ニヤニヤ笑う玄に眉を寄せる。
「まだ来ーへん。あ~……やっぱ来れんとちゃうん!?」
俺らの出番まであと10分弱。クラブ内は盛り上がりの最高潮やっちゅーのに、俺は焦りの最高潮。



