「お待たせしましたぁ~! こちらボンゴレビアンゴになります」
「あ。ありがとうございますっ」
「こちら隼人の餌になりますぅ」
「餌って何だよ! 若鶏と小松菜の塩パスタって……」
「ではごゆっくりどうぞ~」
「聞けっ!」
隼人をガン無視して笑顔で立ち去ったのは、バイト仲間のちぃ君。とんでもない美青年で、店に入った時は驚いた。
あたしは水が入ったコップを持ちながら、店内を見渡す。
「ちぃ君はもう別次元だけど、店員みんなイケメンだね」
店員はみんな男の人だし、客も女性だらけだ。
「あ? あぁ……店長がゲイだから」
「がふっ!」
「汚ねぇなっ!」
水を口に含もうとした瞬間、軽く吹き出してしまった。
「ゲイって……いいけど、この店員のイケメン率の高さが不安だよ……」
「まあなー。でもイケメンに囲まれて仕事したかっただけらしいから、今んとこ支障はねぇよ。時給いいし」
「なら良かったね」
「たまに妖しい視線を向けてくるけどな」
「あははっ! その内狙われるんじゃない?」
ケラケラ笑っていると、隼人はフォークをカトラリーケースから出して「それで?」とあたしを見る。
「お前は快くOKしたわけだ? レイと遊ぶこと」
「うん。だって今日だけだもん」
パスタをフォークに絡ませながら言うと、隼人は呆れたように溜め息をついた。
「お前なぁ。水入らずで再会を祝してだか何だか知らねぇけど、そこで少しくらいヤキモチ妬けよ。男にしたら嬉しいもんだぜ?」
「別にヤキモチなんて妬いてないですぅー。ていうか、せっかく幼なじみと再会出来たんだから、普通遊びたくなるじゃん!」
「本当にただの幼なじみならいいけどな」
アサリを口に含み飲み込もうとしたら、変なとこに入ってしまった。



