「これ、私に?」
「奈々以外誰にあげんねん!」
「アホか!」と言う翔太は心無しか照れている様子。
「ふぅん。まあまあね」
「もっと他にないんか! 可愛い~っとか、ありがと~!とか言ってみぃや!」
「可愛いありがとー」
「「ぶふっっ!」」
尋常じゃないくらい棒読みの奈々にあたしとキョウが同時に吹き出せば、昴もクスクス笑っている。
奈々、めちゃくちゃ喜んでる。
多分、翔太がチョコをもらえないのが悔しくて何か贈ってくるって分かってたんだろうけど、予想以上に嬉しいものだったんだ。
「あははっ! 奈々可愛い~っ!」
「嬉しいんやな!? 嬉しいんやろ! 喜んでるのバレバレやでっ」
してやったりって感じで、ものすごくご機嫌な翔太。
だけど奈々は自分より上手に立つのは、許さないたちなのよね……。
「指輪、私だけなのかしら」
「せやで。奈々は照れ屋やからなぁ~。まだペアリングは早いやろ?」
ニヤニヤしながら言う翔太を見ずに、奈々は指輪を右手の薬指にはめる。
「どうせならペアが良かったわ」
極上の笑顔を見せた奈々に形勢逆転。翔太は顔を真っ赤にした。
「んなっ……なななっ……!」
「日本語喋ってくださる?」
パクパクする翔太に奈々は満足そうに口の端を上げて、机に頬杖をつくと翔太をジッと見つめる。
「私を手懐けるにはまだ早くてよ? 番犬さん」
顔を真っ赤にして動かなくなった骨抜き状態の翔太に、みんなが笑った。
奈々ってば、ほとんに翔太が好きなんだね。



