「何で!? 翔太にほっぺチューした人の誤解なら解いたし、奈々も分かったわって言ってたよ!?」
「何でとか俺が知りたいわ!」
ええ~? 確かに奈々はここ最近不機嫌だけど、連絡も返さないほど不機嫌MAXだったとは……。
あたしが今叩かれるだけで済んでるのってまさか、奇跡……?
ブルッと身震いすると、昴がぽつりと「ナナは……」と言葉を落とす。
「ナナは、ショータからききたいんじゃない?」
「……俺?」
「トールからじゃなくて、ショータからききたいんだよ」
「そうだね。俺も同感」
なるほど……あたしも同感に一票。
うんうん、と頷いていると、翔太は少し考える素振りを見せてから、素早く立ち上がった。
「透! こうなったら最終手段やっ!」
「はひ?」
最終段とは何でしょう……。
「奈々の家連れてけ!」
「――……」
「お前らも行くで!」
「いやちょっと! 翔太!?」
翔太はキョウの背中を叩いて、伝票を持って席から離れてしまう。
残されたあたしたちは顔を見合わせるものの、昴とキョウは楽しそうというか行く気満々の顔をしていた。
え……えぇぇええ!? 嘘でしょ!?
あたしならともかく男子が奈々の家に行こうなんて、命知らずっ!



