掻き鳴らせ、焦燥。〜春風に舞う〜

僕は重大なことを忘れていたことに気が付いた。





「あっ！！ そういえばっ、僕ボーカルの方にお会いしてないのに、勝手にメンバー入りしても大丈夫なんでしょうか？」


「あ〜、大丈夫大丈夫〜。練習サボるようなヤツなんかに意見なんか聞かないも〜んだぁっ」



ふくれっつらになったナオヤさんに不安を隠せない僕はアキトさんに救いを求める。



「心配しなくてもいいよ。次にちゃんと紹介するし、元々俺達二人でスタートしたバンドだしね。
それに、リーダーのナオヤがこう云ってんだから安心して」