掻き鳴らせ、焦燥。〜春風に舞う〜



一曲終わって、ナオヤさんが開口一番、


「キッモチィーっ!」


と云ったので、思わずドラムのアキトさんに視線を移すと


「やるじゃん、ハルタくん」


と、ニンマリ笑ってくれた。

ものすごく、ほっとした。
僕の欲しかった言葉を二人が云ってくれる。

バンドって、人と合わせるって、こんなに楽しかったっけ? こんなに気持ち良かったっけ?


もっとやりたいっ!
一曲じゃ、物足りない。


そう思っていると、横から……