掻き鳴らせ、焦燥。〜春風に舞う〜



「ところでさ〜、ええっと……ハルタくんだっけ? 高校生? バンドは組んでないの〜?」


「えっあっはい。こないだまでは高校の友達のバンドには居たんですけど、今は一人です」


「そっかそっか、ラッキ〜」


「こらっ、ナオヤ、ラッキーじゃねぇ。色々、事情があんだろうから、ったく」



たしなめるようにアキトさんが割って入る。
見た目より大人なんだろうか?




そのまま、アキトさんが引き継いで会話を続けた。