掻き鳴らせ、焦燥。〜春風に舞う〜



中に居たのは、金髪ギターのお兄さんとドラムのお兄さん。甘辛対照的なイケメンって感じ。


ドラムのお兄さんが立ち上がって、(オォゥ、背が高い。羨ましい)おじさんに話しかけた。



「オー! ゲンちゃん。口説いてくれたんだ、サンキュー」


「いや、口説き落とせるかどうかはオマエの腕次第だ、アキト。女みたいには上手くいかねぇぞー」


「何それ? 俺がいつ、女を落とすテクニックをゲンちゃんに披露したんだよ」


「まぁまぁ。いいから〜、二人とも早く中、入ってよ〜」



金髪ギターのお兄さんが、思ったよりも軽い口調で語尾を伸ばす。