「なんかボーカルがドタキャンで練習にならないらしいからさ、時間あったら話聞いてやってよ」 「はー、まぁ暇ですけど……」 「じゃあ、紹介してあげる。 ところで君、名前は?」 「えっと、氷室 春太って云います」 「ハルタくんね。氷室なんて、おじさんには羨ましい名字だなぁ。ハルタはどう書くの?」 「春夏秋冬の春に太いですけど……」 「あらまぁ、随分と温度差の激しい名前だね」 「はあ、初めて云われました」