そんな退屈な毎日を繰り返しながら、僕は誰に聴かせる訳でもないベースを掻き鳴らし、報われない音を焦燥に似た何かの代わりに垂れ流していた。





二週間に一回一時間だけ休みの日に、本気で音を出したくて僕はひとりでスタジオを借りに行く。



でも、この日は何だか物足りない気がして二時間借りることにした。




……そこに何が待っているかなんて知りもせずに。



ただ、自分の音を掻き鳴らしたくて仕方がなくて……それだけだったのに。