「見つかるといいな」


「何がですか?」


「氷室に合うバンドがさ」


「そうですね」


「全く、他人事みたいに云うなよ。ガキのくせに冷めてんだから」


「自分を客観的に見てると評価してください」


「あーあー、生活態度欄にはそう書いておくよ」


「ありがとうございます」


「かっわいくないねー、全くっ」


「先生? ヒドラって、ヤキソバ食べますか?」



僕のすぐ隣に置かれた水槽にヤキソバパンをかざすと、ものすごい勢いで先生が立ち上がって水槽に覆い被さり叫んだ。



「やめてくれぇぇー、氷室!! オレのかわいいヒドラ達はとってもデリケートなんだっ!! ヤキソバなんて食わねぇよぉー! 腹こわしちゃうだろがぁっっ!」



こうなることが分かっていて、僕はいつもヒドラの隣に座っている。