どうしよう……。 浮浪者……では無いよね? かといって知り合いでもなさそうだし。 記憶を失っているトキの知り合い? その横顔を盗み見てみるけれど、見覚えは無く。 しかし、あの男にどいて貰わないと家に帰る事は不可能で…… うん、ひょっとしたら誰かの家と間違えてるのかもしれない。 自分を奮い立たせるように、気持ちを切り変えると勇気を出して近付いた。 「あの……」