考えてみたら私は春樹が普段どうして暮らしているのか。 いつもあのお店にいるのか。 電話しなよって言葉だって、誰にでも言ってるのかもしれない。 カッコよく見えたのは、店内の照明や演出のせいかもしれない。 そんな相手に…… こんなに心を揺らされるなんて。 鳴り響くコール音を耳で数える事8回。 私を迎えてくれたのは 「凛? 何かあった?」 泣きたくなる位優しい声で私を包んでくれた、春樹の声だった。