「ご馳走さま。」


満はそそくさと夕飯を食べ、部屋に戻ってしまった。



「あいつ、最近部屋に戻るの早くないか?」


優貴さんが呟いた。


「確かに。もうテストも終わったのにね。」


瞬君は、満が食べた後の後片付けをしているあたしを、チラっと見た。


「そういえば、あいつテスト勉強なんて一回もやったことないのに、今回はやけに長いこと勉強してたな。」



「優貴兄、知らなかったの?
満兄は、毎晩皐月ちゃんに勉強教えてたんだよ。
……手取り足取り……ね?」


瞬君はニヤニヤしながらあたしを見た。


「手取り足取りなんて、教えてもらってませんっ!!!」


そう言いながらも、キスしたことが脳裏をよぎって、顔が赤くなってしまった。