ピンポーン


震える手でチャイムを鳴らした。


ドキドキドキ


返事がない。


……?


再びチャイムを鳴らす。


ドキドキドキ


…………チッ


もう一度チャイムを鳴らそうとしたその時、



「誰じゃ。」


スピーカーからお婆さんの声がして、思わず身体が仰け反った。


「ほ、ほ、ほ、本日からこちらでお世話になる鐘梨皐月と申します!!」

2オクターブくらい声をはずしてしまった。


「ああ、お主か。入るが良い。」

お主って……

若干突っ込みそうになったが、ガガガガガと大きな音と共に門が開いた。