――そう思っていられたのは、勉強開始して10分までだった。



満はあまりのあたしの理解不足に、頭を抱えた。



「お前は本当の馬鹿だなっ!!!!
今まで何を勉強してきたんだよ!!!!」



「仕方ないでしょ!!
大家族で勉強するスペースなんてなかったんだから!!」

逆キレしたあたしを見て、満は大きなため息を吐いた。


「もう駄目だ。
このままじゃ間に合わない。
これから死ぬ気でやるぞ!!
寝れると思うなよ!!!」



そして満のスパルタ指導が始まった。

少しでもウトウトすれば、頬っぺたつねられるし、

同じ問題で二度間違えれば、満お手製の「ハリセン」で、はたかれた。

なんか真剣に作ってるなぁと思ったら、このため!?

痛くはないけどさ?

うぅ…酷い。


それでも文句言わず、教わっていたのは、満が真剣に教えてくれたからだった。


満も寝ずに付き合ってくれた。




満がいなかったら、こんなに勉強できなかったと思う。

一緒にいる時間が増えれば増える程、


お互いの距離が縮まっていくのを感じた。