「まあまあ、二人共、朝から喧嘩はよしなさい。

そういえば満。来週テストがあったよな。勉強はしてるのか?」


金剛持家は、いつもお父さんがいない分、父親代わりは優貴さんの役目。


優貴さんは私達をなだめて、テストの話題を振った。

テスト……



まずい。



「勉強なんかしなくても、余裕だよ。
俺なんかより、こいつの方心配した方がいいぜ。」


満はあたしを指差した。


余計なことをっ!!


「皐月ちゃん、勉強苦手なのかい?」

心配している表情で見つめる優貴さん。

や、やめて!そんな目で見ないで!!


「苦手というか……」


あたしが言葉を濁らすと、



「苦手なんてレベルじゃねぇよ!!

こいつ本当のバカだぜ!!
先生に当てられても答えられないし、実力テストなんて何点だったと思う!?

10点だぞ!!!」


「10点!?」

優貴さんと、瞬君は驚いて声を揃えた。