そこには、ハアハアと息を切らし、鉄の棒を持った汗だくの満がいた。
…その棒、扉の鍵じゃなかった?
30cmくらいある太い鉄の棒が、キラリと光った。
満は男3人に押し倒されているあたしを見ると、
凄い形相で男達を睨みつけた。
「お前ら、何やってんだよ。」
地底が揺らぐような低い声。
「お、おい、やばいぞ。あの金剛持財閥の息子だぞ。」
三人はあたしを抑えるのを止め、動揺している。
「3秒以内にここから消えろ。
じゃないと、お前らの顔ボコボコにするだけじゃ抑まらねぇぞ。」
満はヒュっと鉄の棒を風に揺らした。
眉間に皺を寄せて、鋭い目付きで三人を睨みつけている。
今にも殴りかかってきそうな迫力。
あたしでさえ、満が本気で怒ってるのが伝わった。
「お、おい。待てよ、分かったよ。消えるから!
まだ、何もどこも触ってねぇよ!!」
オタオタしながら慌て出す三人組。
「3…2……」
「うわっ!!!」
三人は大急ぎで逃げていった。



