とりあえず、上へ上へと歩いていたら、何とか屋上が見つかった。

重い扉を開けると、一気に風が舞い込んできた。



「さっむ~いっ!」

屋上には誰もいなかったが、風が強く肌寒かった。


「そりゃ、誰もいないわ。」


ついついひとり言が出てしまう。


屋上を見渡すと、少しだけ屋根のあるところがあって、そこは風もあまり来ず、なんとか食べれそうだった。


「ちょっと狭いけど、ここでいいや。」


お弁当を広げ、思いっきり背伸びした。


「ここの方が何倍もいいや。」


風は強く、寒かったが、一面に広がる青い空。


気に入った場所を見つけ、菊さんの作った手作り弁当を食べ始めた。


「う~ん、おいしいっ!」


膨らんだ右頬に手を当てて、目を細めた。


この唐揚げワンダフォー!


ジューシー


デリシャス~


うひょひょひょひょ


誰も来ないと思って、安心して頬張っていると、突然屋上の扉が開いた。