「まぁ、このままだと終わりだ。

だけどな、一つだけ方法がある。」



「マジかよ!それを早く言えよ!!」

高校に行かず、とび職をしている四郎お兄ちゃんが言った。



「でもなぁ、この方法はなぁ……
あんまりなぁ、言いたくないんだけどなぁ……」


「っんだよっ!!早く言えよ!!その方法しかないんだろ!?」



「まぁそうなんだけどな。

うちの会社の取引先の大企業の社長からの話なんだがな。
屋敷に召使いがほしいそうなんだ。

それでな、うちの会社を援助して倒産させない代わりに、一人住み込みで働いてほしいそうなんだ。


ほら、うち子供いっぱいいるから。」




「なんだ、そんなことかよ。そしたら俺が行くよ。」

四郎お兄ちゃん。
男気のある熱い男である。



「いやいや、ほしいのはメイドだから女の子がいいんだと。」



「女……」

次女の双美(ふたみ)が言った。



「女となると、長女の単衣はもう結婚してるし、次女の双美は病院で働いてるだろ。
俺と四郎は男で……となると皐月か??」


三郎お兄ちゃんはあたしを見て言った。