お、おい！なんか女子の方様子おかしいぞ。」

「なんか皐月ちゃんいじめられてないか？」


「マジ！？可愛そう！可愛いからひがんでるんじゃないのか！？」


皆が話しているのが聞こえ、女子の方を見ると、皐月が倒れながら、女子を睨みつけていた。


「あいつらっ！！！」


怒って、女子の所に行こうとした時、皐月が立ち上がった。


「早く、試合続けようよ。」

と言って、転んで汚れたジャージをポンポンと叩いた。

笑っている女子を尻目に、

コートに戻って、自分のポジションを確認した。


開始した途端、ボールを素早く奪って、

一人でドリブルをし、ファールしようとする女子たちをヒラリとかわし、


そのままドリブルシュートをし、パサっとゴールネットが揺れた。


「おぉぉーー！！！」


男子たちから歓声が起こった。



「メイドだからって甘くみないでよね。
ファールでも何でもして、あたしを止めてみな！！」


その後は皐月の独壇場だった。

一人でシュートを何本も入れ、止めようと頑張っていた女子たちは疲れ果ててしまい、全く相手にならないといったかんじだった。



「さっちゃん、かっこいい。」


運動音痴の奈々は手を組んで、キラキラと皐月を見つめた。


「何だ、あいつ……」


皐月を助けようとした満だったが、すっかり呆気にとられてしまった。