「あっ!さっちゃん!
あたし達の番だよっ!!」
奈々は慌てて立ち上がり、あたしの肩を叩いた。
女子はあまりバスケができる子がいないから、
ハーフコートを使っての5対5。
人が密集しているので動き辛かった。
ピピー
開始の合図と共に、身体を思いっきりぶつけられた。
人がいっぱいいるせいかと思ったけど、あたしがボールを持つと、わざとファールしてきたり、足を踏まれたりした。
完全にファールなのに、審判役の女の子は笛を鳴らさない。
ゴールポストに向かって手を上げて、シュート!というタイミングで、思いっきり身体を押され、豪快に吹っ飛ばされた。
「さっちゃん!!」
奈々が駆け寄った。
あたしが押した相手を睨みつけると、相手は笑いながら、
「メイドの分際で、私達と一緒に授業を受けるなんて、図々しいのよ。」
周りの女の子たちも一緒になって笑っていた。