「痛っっ!

もっと優しくできないのかよ、優貴兄っ!」



優貴の部屋で大人しく治療されている満が叫んだ。


「我慢しろ。ほら、できたぞ。」


「ちっきしょーー、あの女、思いっきりぶん殴りやがって!

しかもグーだぞ!?大人しい顔して、あいつはとんだ女だ!!」



「あんな酷いこと言った満兄が悪いと思うけど……」


「ああんっ!?」


満に睨まれた瞬は、優貴の後ろに隠れた。



「ああ、もうムカつく!!あの女ぜってぇ許さねぇ。


何が何でも服従させてやる!!!!!」



治療が終わった満は部屋を出ていこうとした。


「おい!満!まさか皐月ちゃんに仕返しに行くのか!?」



ドアノブを掴んだ手を止め、振り返った。




「……俺は女は殴らねぇ!!寝るんだよっ!!!!」



そう吐き捨てて、勢いよくドアを閉め出ていってしまった。