満は不敵な笑みを見せて、


「分かった、『今日は』映画館に行こう。」


なんだか、ちょっと恐い気もしたけど、



「う、うん。」



と言って映画館に入って行った。



時々、満が何か考え込むように、ぼーっとしていることもあったけど、



どうせ、くだらないこと考えてるんだと思って無視した。




暗い映画館の中で、しっかり指と指を絡ませてスクリーンを見つめた。



時々、満の顔を見ながら。



その視線に気が付いたのか、満が小声で「何?」


と聞いてきた。


思わず、顔をぐいと近付けて、満の唇にチュっとキスをした。



満は少し驚いたけど、


あたしの耳元で、


「今日、皐月の部屋に行っていい?」


と聞いてきた。


「なんで?」


「なんでって……」



「あっ!ほら始まったよ!!」



満は何か言いたそうだったけど、無理矢理前を向かせた。





そして、



ラブストーリーが始まった。






end.